【新卒採用】(2-2)計画_採用戦略の構築

はじめに

「戦略」は、私の最も好きな言葉です。

私のバイブルである三国志の諸葛孔明はまさに戦略の軍師でありリーダーでした。

採用にも「戦略」が必要です。理由は簡単。最もプロセスを合理化できるからです。

採用戦略の構築

採用戦略の構築フェーズとは、1年半~2年をかけて実行する新卒採用活動において、

「勝つ」ための計画にあたる部分です。

採用数をコミットするためにも、また無意味な投資・労力・工数をかけないためにも必須のプロセスです。

戦略構築にあたってのプロセスは以下の4つです。

1新卒ターゲッティング(評定項目の策定)

2採用数の確定と上下限(Capacity)

3数値シミュレーション(歩留逆算)

では、順を追って説明していきます。

 

1新卒ターゲティング(評定項目の策定)

まずは欲しい人材の策定からです。

欲しい人材定義の決定プロセスはさまざまありますが、

出来る限り合理的な理由にすることを推奨します。(もっとも人事の主観が入ってしまいやすい箇所のため)

ここで二つの方法があります。

・(定性的)ステークホルダーから期待する欲しい人材を聞き出し統計化

・(定量的)自社の活躍人材の特徴(コンピテンシー)を集計して分析

 

(定性的)ステークホルダーの期待を要件化

まずはステークホルダーの期待を知ることを一つのターゲティング要素といたします。

ステークホルダーの期待(=主観)の要件化を定性指標とするのです。

ここでいうステークホルダーは、

新卒を配属させることになる事業の責任者、もしくはそこを管轄する取締役などの重役を指します。

重要役を選ぶ理由としては、新卒は投資であることが要因としてあります。

5~10年後の企業の将来を担う貴重な人材探しが新卒採用です。

中長期計画を実現するにあたり必要な人物像をステークホルダーと議論し、

新卒採用要件にあてはめていくことがまず第一歩と考えます。

 

(定量的)優秀な人材を分析しコンピテンシーを要件化

定性指標と対照的なのが定量指標です。

※ここで定量指標・定性指標双方を取り入れる目的は、

ターゲティングの合理性を数値で証明するためです。

定量指標として用いるのが、自社の優秀社員のコンピテンシーです。

優秀社員は、ここでは評価の高い社員や、数字をあげている営業社員、

成長事業発展に寄与している社員・事業開発エンジニアなど、選ぶ基準によって異なります。

まずは自社で「優秀」の定義を立てたうえでロールモデル化し、

その社員がもつコンピテンシー(能力の構成要素)を分析します。

↓いわゆるSPIや職業能力テストのような数値指標を集めて統計化します。

例)

「能動性」「活動意欲」「柔軟性」「ストレス体制」において、

優秀社員は一般社員よりも係数が0.5以上高いので、採用ターゲットも上記4点を評定項目にも適用

など

ここで注意なのが、採用した新卒は全員営業なのか?エンジニアなのか?マーケや企画もいるのか?

ということです。

優秀な社員を「数値をあげている営業」とした場合は、営業の新卒採用にしか適用できません。

新卒で理系エンジニアを採用したい、デザイナーを採用したい、というように、

画一的な新卒採用ではなくダイバーシティ型の新卒採用を実施する場合は、

それぞれの職種に合わせた優秀人材定義コンピテンシー分析が必要となります。

評定項目の設定

ターゲッティングが明確になったら、それを評定項目に落とし込みます。

評定項目の落とし込み方法については選考フェーズにてご説明します。

2採用数の確定と採用上下限(Capacity)

1新卒ターゲティングが「質」の担保であるなら、2採用数の確定は「量」の担保です。

人員計画に基づいて人数を策定することをお伝えしましたが、

上限と下限を押さえておくことが必須事項となります。

10人採用する計画を立てた場合の許容される振れ幅です。

10人採用しようとして10人ジャストにすることは非常に難しく、

採用数が増えるにつれて、ジャストに調整する難易度は高まります。

なぜなら、学生は内定から入社までに、

他企業への心変わり辞退や留年による内定取消などあらゆる要因により去っていきます

採用数が多ければ多いほど確率は高まるのでジャストに設定する努力をしつつも、

許容数を明確にステークホルダーと握る必要があります。

ざっくりと±20%許容されることが妥当と考えますが会社の体質により明確に異なります。

※ステークホルダーと握ることができなかった場合、

例えば10人の予定が2人オーバーして12名入社となった場合、

どこも受け入れたくない・・・という事態に陥りかねません。

(これは人員計画が一人別で管理されている会社特有ですが・・・)

これを避けるために、採用数の調整において、

採用の前に新入社員の配属を予め考えておく(調整しておく)ことが必要です。

たとえば20名を採用する場合、

営業に10名、エンジニアに7名、企画・マーケティングに最も優秀な人材を3名など。

貴社にて必要とする新卒は、どういう役割で採用するのか?

ゴールを明確にしてから採用活動に入ってください

数値シミュレーション(歩留逆算)

採用数をゴールととらえ、そこから逆算して、以降の母集団形成~選考フェーズにつなげます。

↓イメージ①(採用数5の場合の逆算例)※NeoCareer様から引用

↓イメージ②(採用数10の場合の逆算例)※#採用の裏側様から引用

全フェーズの中でもっとも重要なのが、

この戦略構築フェーズ、その中でもこの数値シミュレーションです。

採用の実施フェーズにおける進捗管理として利用します。

上記のイメージ①②図の通り、

Excelなどの表計算ソフトまたは専用のソフトウェア/アプリケーションで計算していきます。

数値シミュレーションの立て方

まず要素として必要なのは、採用数です。

そこから選考フローの順に逆算していきます。

※仮に以下のように置いてみます。

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採用数=10人 (←GOAL)

内定数=20人 (内定→採用への移行率を50%と置いてみる)

最終面接数=40人 (最終面接→内定を50%と置いてみる)

人事面接数=80人 (人事面接→合格→最終面接を50%と置いてみる)

グループ面接数=160人 (グループ面接→合格→人事面接を50%と置いてみる)

説明会参加数=320名 (説明会参加者がグループ面接参加を50%と置いてみる)

説明会予約数=640名 (説明会予約者が説明会に訪れる確率を50%と置いてみる)

エントリー数=6400名  (エントリーした学生が説明会を予約する確率を10%と置いてみる)

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このように10人を採用するために移行率を50%でシミュレーションすると、

エントリーに6400人必要とわかりました。

6400人がエントリーが多いか少ないかは、

企業の知名度(学生が普段目にするか会社かどうか)に依存しますので一概には言えませんが、

一般的には6400名のエントリーを稼ぐのは容易ではありません。

ゆえに、今回のシミュレーションを踏まえ、

移行率を調整する(今回の場合は移行率を上げる)

・面接の回数を減らす

・説明会とグループ面接を同日に開催する

・説明会予約者に前日電話をして参加率を上げる

などの様々な調整を図ります。

こうして創り上げたシミュレーションは現実的に達成可能なマイルストーンである必要があり、

そのマイルストーンをもとに、いよいよ母集団形成のための計画を立てていくのです。

戦略の重要性

何に対してでもいえることですが、

目的を達成するための確実な筋道勝つための必勝法が戦略です。

何事も戦略を立てずして戦にでれば、

たとえ勝てたとしても、無意味な投資・労力・工数は免れられませんし、

期待していない新卒(能力・ポテンシャル共に不一致)を採用することになりかねません。

戦略は戦況とともに常に変化します。

計画段階で立てたシミュレーションは常に見直し、PDCAを回していきましょう。

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