【組織開発】(2-3) 計画_「社員の意識を変える」は間違い

はじめに

たとえば社長、経営者、経営部門、社内での成功者、

つまり、やる気満々な人に限って、「社員の意識が低い!」と罵倒します。

果たして本当にそうなのでしょうか?

課題のおさらい

調査・分析を経て、課題の洗い出しと優先順位をつけていきます。

前回お伝えした組織開発をする要因No.1の「社員の意識低下」を例にあげて説明していきます。

「社員の意識低下」の理由としては、

大きく3つあげられると前回説明しました。

「仕事満足度の低下」「人間関係」「健康」です。

ここで気づきますでしょうか?

「社員の意識低下」が課題と言っているのは経営幹部や人事部門。社員に課題があると言っていることに。

社員の意識というのは、仕事に対するモチベーションを指すことが多いですが、それに起因するのは、本人の問題もあれば、外的要因の可能性もあります。もし外的要因が本人の問題に紐づいているのであれば、本質的には、社員の意識低下は社員本人の要因ではなくなり、まず正すべきは組織に問題を起こさせている経営部門です。

逆に「仕事満足度」「人間関係」「健康」が課題と言っているのは社員。会社や経営、仕事への不満です。社員は社員で、自分自身の問題の可能性を否定し、外的要因に責任転嫁しているのです。

要はお互いが他責になっているのです。

「仕事満足度の低下」だった場合の施策例

「仕事満足度の低下」の例をあげましょう。

まずは、課題の詳細について、

「仕事満足度の低下」のさらにその要因を洗っていくと、

仕事のマンネリ化・担当業務のネガティブな変化・組織施策や事業方針への不満

などがあげられてきます。

これは個人のWANT(やりたいこと)が、

会社のMUST(従業員に求める業務)とアンマッチな状態といえます。

例えば、仕事のマンネリ化であれば、ジョブローテーションを施策にあげたり、

担当業務のネガティブな変化であれば、業務それ自体の説明ではなく、

その業務が変化することの前提やVISIONを従業員に合理的に説明してあげることが必要です。

組織施策や事業方針への不満が原因であれば、

経営幹部から直接従業員へ意思を伝えられる場(全社フォーラム・キックオフなど)を

提供してあげましょう。

「人間関係」の悪化だった場合の施策例

次に「人間関係」の悪化が原因だった場合です。

人間関係の悪化とは、具体的に誰々なのかを細かく洗い出します。

上司と部下、メンバー間の関係性、営業と企画のような別部署との軋轢など、

人間関係の歪みの問題はとても多く、矯正するのは困難です。

そんなときこそ、組織開発プロジェクトの出番です。

上司と部下であれば「1on1(ワンオンワン)」と言われる面談の場を提供したり、

メンバー間の関係性であれば、「ありがとう」を伝えあうキャンペーンを実施してみたり、

営業と企画に問題があれば、いっそのこと交流会、さらには運動会を開いてみたり。

「健康」状態の悪化だった場合の施策例

「仕事満足度」「人間関係」と異なり、

(何かしらの外部要因はあるにせよ)「自分」だけに帰着する問題なのが「健康」の問題です。

この場合は、全社員の「健康」状態を把握(アラート機能)が必要です。

(例)全社把握の例

全従業員対象のストレスチェック診断・・・

うつ状態の社員が全従業員の1割、うつ予備軍が4割などがわかる

ホットラインの設置・・・

投稿型の相談窓口で、従業員から何かしらの問い合わせを待つ施策

人事、もしくはキャリアカウンセラーによる面談・・・

全従業員または特定の問題を抱える社員の面談

ちなみに、この3つは、順番に全て実施すれば効率がよいかと思います。

ストレス診断で従業員の問題をマクロで把握し、

ホットラインや面談でミクロに状態を精査し、対策を施す。

「健康」の状態把握は、離職率や私傷病対応のため必須の試みです。

ただ、ここで気を付けなくてはならないことは、

「健康」の原因・内容・実行施策は、社員のとてもデリケートな個人情報だということです。

ストレートにいうと、

現場を巻き込んで大きいことを実現しようとする組織開発プロジェクトには適しません

残念ながら、「健康」が問題であれば、

人事部門だけで対処すべき部外秘プロジェクトとするべきでしょう。

 

余談:組織開発プロジェクト経験談

プロジェクトメンバーでブレーンストーミングを行うことで、

たくさんの施策のアイディアが出てくるでしょう。

これはあくまで個人の感想ですが、実際に組織開発プロジェクトを実施してみて、

「楽しい」と「大変」が両輪するプロジェクト である

ということです。

業務とは乖離した施策・アイディアであることが多く、

運動会や、ありがとうを伝えあう、交流会、イベント、面談などは、

小学生や中学生のころから、何かしらあった行事であり、大人になっても変わらないということになります。

(大人の事情が様々あり、複雑怪奇になっているだけです)

また大人は子供以上に価値観の両極化が進んでおり、「楽しい」施策も、「楽しくない人」がたくさんいるのです。

この段階での「最適解」は?

小学校の運動会で、運動会を待ちに待つ子もいれば、

運動嫌いな子からすれば「運動会なくなればいいのに」とぼやきます。

残念ながら全員をYESにする方法は、組織が大きくなればなるほどゼロに近づきます。

マジョリティを優先し、施策をGOするには、ステークホルダーの強烈な後ろ盾が必要です。

組織開発プロジェクトでは「計画」が非常に重要なフェーズでありプロセスです。

ステークホルダーの後ろ盾を持ちながら、

合理的に証明された真の課題を提示し、それを解決しうる施策を打ち出し、

全従業員(正確にはマジョリティ)からの期待を背負いながら実行へ。

「社員の意識を変える」と言っていては一生意識は変わりません。

まずは「みんなでいい会社にするぞ!」くらいの方針とリーダーあってこそかと思います。

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