【組織開発】(1-2) 立上げ_組織開発をプロジェクトとして立ち上げる

はじめに

組織開発は永続的に続ける施策と、ある一つのゴールに向かって期間限定的に行う施策に分かれます。

今回は後者をプロジェクトと位置付け、PIMBOKプロジェクト手法にのっとって説明していこうと思います。

課題とゴール

組織開発をプロジェクトとして捉え、課題把握から解決までをゴールとして扱います。 

組織開発プロジェクトとして会社をあげての横断プロジェクトとする場合、

組織の問題点はハイレベル(概要レベル)な洗い出しの段階でスタートさせます。

言い換えるなら、スコープ(何を課題としどこまで達成するか?)を詳細まで落とし込む必要はこの段階ではない、ということです。 

参考:ハイレベル(概要レイレベル)な問題点の例

・従業員満足度が低い

・従業員の意識が低い

・従業員に活気がない

・優秀なメンバーがいない

・優秀な新卒が現場でダメになる

・人を育てる文化がない

・離職率が高まっている

・大企業病である

・社員同士に協力意識がない

・問題が起きても我関せずが多い

・やる気が見えない

・あちこちで悪口が聞こえてくる

・経営幹部と社員に溝を感じる  

・女性の活躍や出生が著しく少ない

など。

いわゆる抽象論からスタートする理由としては、

組織開発の明確なゴール(「最適解」の発見と到達)を定義することが難しいからです。

立上げ段階でゴールが明確なら苦労しません。

組織開発スケジュール

次はスケジュールを固めます。 

組織開発プロジェクトには必ず期限の設定が必要です。

なぜなら組織開発ほどゴールが抽象的になりやすいプロジェクトはありません。

成果物が明確な、商品企画プロジェクトやITシステム統合プロジェクト、

ソフトウェア開発プロジェクトなどと違い、

成果物自体をプロジェクトの中で決めることが多い組織開発プロジェクトにおいて、

期限を設定する意味は『無駄な時間』『無駄なコスト』

要は浪費を避ける重要な手立てと言えます。 

難易度にもよりますが、例えば1年なら1年で成果を出す!

という制約(=コミット)をつけて挑む必要があります。

期限を設定されることでスコープを明確化しやすくもなります。 

組織開発プロジェクトコスト

プロジェクトコストもスケジュール同様、スコープを明確化する助けにもなれば、

大きな弊害となる場合もあります。 

スコープの規模が大きいにも関わらず少ないコストしか与えられなかった場合は、

プロジェクトオーナーやステークホルダー、スポンサーへの交渉が不可欠です。 

※予算ゼロからのスタート?!

組織開発プロジェクトは往々にして予算が与えられないケースもあります。

スポンサーへの巻き込み方が重要なポイントですが、

まずはコストをかけずにやってみろ、

という指示からスタートする場合も多々あります。 

※無理だとあきらめないこと!?

予算がない、とわかった瞬間、

プロジェクトメンバーは一気に冷めてしまうことが往々にしてあります。

でもそれもそのはず・・・明確なスコープがない計画段階において、

予算がつかないのは合理的なスポンサーの判断です。

当事者はたまったものではないですが、

成果物のコミットもない状態で投資するほどスポンサーたちは無能ではありません。 

※私自身も予算ゼロからスタートでした・・・

組織開発のプロジェクトマネージャーを務めていた頃は

ほとんど予算ゼロに近いスタートでした。

強いていうなら立上げのキックオフの懇親会費用だけ。

プロジェクトメンバーの落胆の目を横目に、

予算ありきではなく、最小の投資で最大の効果を得ることこそ、

組織開発プロジェクトの醍醐味だ!と語るのはなかなか大変でした

※予算が付く日!

プロジェクトが計画段階に入り、

組織開発のためのあらゆる子プロジェクトが生まれた段階で

予算をそれぞれの子プロジェクト毎に獲得していきます。

具体的に何をして、何を得るか?をプロジェクト計画に盛り込むのです。 

と、いうことで、

そういった投資家の考えを熟慮した上で、

明確なスコープが決まったら、それ相応の投資をして頂くことを念頭において割り切りましよう。

APPENDIX:プロジェクトの『ヒト』『モノ』『カネ』『情報』

『ヒト』

プロジェクトメンバーのことを指します。

プロジェクトマネジャーと並んでプロジェクトメンバー選びは慎重に行う必要があります。 

プロジェクトメンバー選定を公募型にした場合、

実はこのハイレベルな課題の段階でメンバー招集すると集まりやすくなります。

このことは逆に、

課題を明確化すればするほどメンバーが集まらないことを意味します。

組織開発プロジェクトの規模をどのレベルでやるかが論点ともなりますが、

ほとんどの場合、人事部門だけではカバーしきれない問題か多く、

現場メンバーをプロジェクトメンバーに選定する、もしくは公募で募ることが必要です。

ただし、 現場メンバーをプロジェクトメンバーにすると、

人事部門はステークホルダー(現場責任者、現場の執行役員など)の説得

という仕事が増えます。 

このこともあって人事だけで実施する企業が多いの現状です。

しかし実際それではプロジェクトの成功は難しいでしょう。

大規模な組織開発を実行するとなれば、それ相応の覚悟と関係者の巻き込みが重要であり、

プロジェクトマネジャーの腕の見せ所でもあります。 

プロジェクトオーナーを社長にして、プロジェクトマネジャーの意見を通しやすくする、とか、

ステークホルダーの中でも声を掛けやすい人(影響力ある人であれば尚可)を仲間にして

突破口にしてみる、ステークホルダーを1人ずつ訪問して説得する、など、

やり方はいくらでもありますので試してみてください。

私は全部試してみましたがやはり大変です。

プロジェクトマネジャーは心臓が強くないとできない痛感しています。

 『モノ』

プロジェクトに必要なモノ=資産は、現段階では検討できません。

何をやるか決まってから熟慮すべきです。

※強いていうならば、パソコンと、

自由に記事作成できるホームページくらいあればうれしいかもしれません。

『カネ』

コストもこの段階では計算できません。

現段階ではコストをかけずにやるのか、コストをかけてやるのか、決まってないからです。

『情報』

組織開発プロジェクト立上げフェーズにおいて、

人的リソースの次に大事になのが情報の確保です。 

このことはプロジェクトマネジャーを人事部門から選出させる

ことを推奨する理由の一つでもあります。

人事は情報の塊です。

必要な情報の例

従業員満足度調査

管理職サーベイ

組織診断アセスメント

個人能力アセスメント

全社アンケート など

情報は宝

情報は宝です。現段階で何もないのであれば、

プロジェクト立上げを機に実施してください。

全社アンケートはコストもかからず手軽でオススメです。

組織開発のヒントを見つけたり、見えてなかった課題が出たりします。 

さらに組織開発プロジェクト立上げを全社的にオープンにすることが可能です。

全社で行う大事なプロジェクトであることを全部門に伝えて協力意識を高めることで、

この後に続く施策をやりやすくするのです。 

 

ということで、

そういったセンシティブな情報を扱うのが組織開発プロジェクトです。

そして色々な意味で全体を統括する、

プロジェクトマネジャーの選定が鍵を握るとも言えます。

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